映画『RBG 最強の85歳』
映画『RBG 最強の85歳』
監督:ベッツィ・ウェスト
出演:ルース・ベイダー・ギンズバーグ/
ジミー・カーター/ビル・クリントン/バラク・オバマ
映画『ビリーブ 未来への大逆転』があまりにも良くて、好きで、印象に残ってて。
映画として本当に素敵だったから、むしろご本人のドキュメンタリーとなると、最初は遠慮しとこうかな、、と思ってた。
自分にはまた珍しい感覚だったけど。
でも『RBG』の予告編を観たとき
「男性の皆さん、お願いです。
私たちを踏みつけてるその足をどけて」
こんな言葉を発する、どこか見たことあるお婆ちゃんに、痺れてしまい。
気づけば観に行くことが楽しみにもなった。
『ビリーブ』では、ルース・ベイダー・ギンズバーグの若き活躍に焦点を当てて見事にヒューマンドラマに仕立ててた。
そのドラマが頭にある状態で、彼女の過去から今を追うドキュメンタリー。
今ではアメリカのポップアイコンとなっている彼女を、話題だからカメラが追ったんじゃないね。
クリンスト・イーストウッド監督やジャン・リュック=ゴダール監督を観てメルマガで語った時に出た、
「これが最後かもしれないし」
という本音の正直な心配が出て。
きっとRBGも、いつ引退するか分からない。
いくら元気とはいえ、歳は歳だし。
アメリカにとって、彼女は残すべき人だと、そう思った人達が多数いたからこの映画が完成されたんだと思う。
数々の彼女の功績や戦いが写し、刻まれていた。
法廷内だから映像はないものの、音声と、法廷のイメージ映像、加えて、音声の言葉を文字に起こして流して行く。
字幕を読みながらの私たちと、英語がわかる人にも文字を追わせる。
出ては消えゆくおしゃれな文字には、今観てるのは映像とはいえ頭の中に想像が広がり、緊張感があって。
ステキな魅せ方。
1件1件、“v.s”で出してゆくと、なんだかカッコ良いし。笑)
ゲームステージが次々出てくるイメージ。いや現実は遥かに難しい問題ではあるんだけど。
今の彼女を追うだけでもなく。
過去の栄光を写し続けるのでもなく、写真だけでもなく。
ほんの1瞬でも得た、彼女に関わった人達の証言の入れどころも気持ちいい。
追ってるだけならどこかで時間が長く感じそうなもんだけど、それが無かった。
もちろんRBG本人の驀進が今も止まらないから終わりが見えないこともあるんだけどね。
映画の中の彼女と同様(本人がいるから当然だけど笑)、後ろに結んだ髪にはスカーフ。
男女平等を訴え続け、男性相手に戦ってきた女性ならもっと男くさくてもおかしくないな、と思いつつ。
85歳になった今も、インタビュー時には大きなトライアングルのイヤリング。
オシャレを昔から欠かさない人でした。
また法廷に乗り込む時、保守派の時にはこのネックレス、反対派の時はこれを、こういう時にコレを着て行くの、と。
色んなネックレスや服が大切にしまってある。
いわゆる、勝負服、的なね。
私もいざ参ろう、なんて時につける下着は違うし、自分を鼓舞する為にメイクを変えたりもする。
あぁ、同じなんだなと、女性として一緒だ、と感じてた。
あくまで「特別扱いは求めないわ」と、「平等」を唱え、平等であるはずの“法“がそもそも間違っていると、その鍛えられた計り知れない勤勉な脳を武器に冷静に答えてゆく。
痺れにしびれて映画館を出たら、娘に強姦し続けた父が無罪になったという、ニュースを見た、な。
助けてRBG…!
思わず叫びたくなっちゃった。
や、心で叫んでたわ。
何がどうしてこうなるのか。
そこには私じゃ分からない法が、囲っているのだろうな。
守ってくれる法が、ルールとして敷かれているのに。
時になんて残酷な判断を下すのだろう。
感情なくして挑んでいるんだろうけど、結果しか分からない一般人には、心が苦しくなりすぎた。
ここまで有名になる最高裁判官て、日本にも出てくるのかなぁ。
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