映画『きみに読む物語』

映画『きみに読む物語』(2004)


監督:ニック・カザヴェス

出演:ライアン・ゴズリング/レイチェル・マクアダムス/

ジーナ・ローランズ/ジェームズ・ガーナー/

ジョーン・アレン/ジェームズ・マースデン/サム・シェパード/ヘザー・ウォールクイスト


ニコラス・パークスのベストセラー小説の映画化。

…小説の映画化、って日本でもよくあるのに

国外となると特に余計な感情がないというのは

どういうことなんだろうな。←

なんてポロりと感じながら。笑)



友人と、お互いのオススメ映画を言い合いっこして

勧めてもらった1作。

知ってはいたけど観た覚えがなくて。じっくりお家で。


これ、予告編やあらすじ、何も情報を入れずに観れば良かったな。

知ってると、途中からわかることで「!!!」と

湧く感情があっただろうに。。

はなから知ってるからこそ切なくなることもあったけど。



忘れられない人って、人生の中で誰かしら浮かぶんじゃなかろうか。

そう思うと、流れが読めたとしても自分の中の人の顔が

過るもんだから感情移入しちゃう、よね。

ふはは。


若い2人、大人になった2人、老いた2人、

どの年代の2人の距離感がもどかし、恋しく、追ってしまう。


年代が変わり、相手が変わると共に映像の雰囲気、

空気というか温度が変わるのが不思議と伝わってくる。

後々、「あなたといる時と彼といる時と私が違うの」

でも、どちらの自分も本物で、と。

台詞で出てきた時にグッと今までの変化の色に納得。


きっと自分たちも、自分は同じ人間でも相手によって

自然と違う顔になっているんでしょうね。

別に変に演じて合わせてるとかじゃなくて。

ホント、嘘じゃなくて。

どの自分だって、心地いいと感じる人はいる。



ただ、やっぱり忘れられない2人がやっと重なった時の、

目の前にある息遣い、生暖かく、感じられる、、

映像なのにこんなにもコチラ側に伝わるなんて。

観ていて嬉しささえあって。

こういう瞬間を観て知っちゃうと、たまらないのよ、

映画っていうエンタメってやつは。




さすがに好きすぎてずっと傍に居続けてるのが

一瞬こわく感じることもあった。個人的)

や、純愛を貫く素晴らしさとか、こんな人と出会えたら、

なんて憧れもキラキラあるんだけど。

どんだけ惚れてんねんちょっと自分の好きなこととか

他に没頭できることつくって欲しいわ、、

なーーんて考えることもね、2時間の内に2回くらいは思ったかな。笑)


『源氏物語』なんかは好きな人をずっと想い続けてるけど

相手はしっかり替えるじゃない。

その方が現実的に思えるのかな、私は。

あとは私の男性の好みだけど。←



ただ、2人は必ず帰ってくる。

彼女が家で、彼の戻る場所。

記憶も、存在も、帰る居場所がお互いそのもの。

お家と人。

そう言われると、本物の家族であり、家族も超えた

愛おしい人。

美しくてやっぱり羨ましくてため息出る。



流れを知っててももの凄く驚いた瞬間もあった。

アルバムを見返してる時の、写真の中の2人。

明らかに、演じてきた2人、もしくは4人、ではなくて。

”ご本人たち”、「実話なの…?」と勘ぐっちゃっう。

同時にものっすごい鳥肌が立った。




5分ともたずに記憶が離れてしまった瞬間の

泣き崩れたジェームズ・ガーナーの顔は

あまりに胸を刺すもんで…。


そこからのラストは、とても素敵な演出だった。

1番現実離れしてるけど、だってこの2人だもの。


エンドール観ながら題名も響く。

原題は『THE NOTEBOOK』。

シンプルでネタバレもなく、でも大切な2人を繋ぐもの。

でも今回の邦題、『きみに読む物語』

余計な副題もなく、そのままといえばそのままだけど

原題よりも作品を汲んだ優しさが込められているような気がして。

私は好きだなぁ。




もの凄いラブストーリーだった。

10代の頃に観てたらきっと憧れで泣いてた。

でも少し歳を重ねて色んな人と出会って離れて。

傍にいる人の体温、好きな匂い、

改めて人と人が出会える温度を感じられた、な。


20代そこそこで観てたら「恋したくなった」て言いそう。笑)

それもあるけど、今はこの作品、この2人に浸りたい、

そんな後味。


あ、でも途中で出てきた未亡人とロンにこそ

幸せになって欲しいぜ、とも。。笑)




最初から2人のアリーの雰囲気が同じなのは凄いよ。

老いてもあの頃のアリーならではの、

綺麗にしてる、衣装やヘアメイクの力が凄くいいんだ。


『きみに読む物語』

【次回】

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1コメント

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  • 神田久好

    2018.09.25 21:14

    おはよう! 梨紗ちゃん、そういえば最近は洋画を観てないなぁ~~笑  今度、東京へ行ったら観てみますヨ! 情報アリガトウ!