映画『ミッドサマー』
映画『ミッドサマー』
監督:アリ・アスター
出演:フローレンス・ピュー/ジャック・レイナー/
ウィリアム・ジャクソン・ハーパー/ウィル・ポールター/ウィルヘルム・ブロングレン/
アーチー・マディクウィ/エローラ・トルキラ/ビョルン・アンドルセン
駒木根さんが散々話していた『ヘレディタリー 継承』の最新作。
私は見逃してしまったけれど、いつもの精神で飛び込んだ『ミッドサマー』。
コロナで自粛ムード漂うのに、ほぼどの回も満席。
満席の映画館は、終わったあとのザワつきが楽しいね。
映画好きの子が話すウンチクや文句、絶賛、今回の疲れたため息の数が、まぁ凄かった。
「…とりあえず1回飲みに行かね?」
と話す男子達に共感。
華やかなポスタービジュアルはなんともオシャレ。
でも、只者ではないことは噂で知ってた。
なんとも裏切られたし、ピッタリだったし。
アリ・アスター監督は、家族と何かあったんだろうか。
または、家族が大好きなんだろうか。
トラウマを払拭するように、けれど明るく恐怖。
宗教的な熱烈な繋がりに、どうして私たちはゾっとしてしまうんだろうか。
どちらが、人として正しい感覚を持っているんだろうか。
だらりだらりと流れてゆくストーリー。
冒頭があまりにもスキャンダラスだったから余計に。
村に入ってからは、その村のしきたりやルーン文字の数々に目が惹かれ始める。
衣装にも組み込まれたルーン文字の使い方はなんともセンスあるし。
彼女たちの眩しく純粋な笑顔が、頭から離れない。
思えば、冒頭に出された1枚で3つに区切られた絵が、
全てを物語っていたんだろうな。
不幸のドン底にいるダニー。
更に追いやられ追い討ちをかけられ。
幾度泣き叫べば逃れられるのだろうか。
しかし最後の彼女の顔ったら。絶対ワザと)
動き続ける花々が不気味。
笑顔が不気味。
セックスも、真剣にルールを信仰する様も。
でも私、大学生ぐらいにちょっと思ったことがあって。
信仰するものが何かあるって、羨ましいな、と。
1つでも、揺るがない自分の中にある信じるもの。
何かあれば、すがれるから。
神様でもご先祖様でも、ぬいぐるみでも彼氏でも彼女でも携帯でもネットの中の自分でも。
逃げるものや場所があるって、生きる上でありがたいじゃない。
生きてる間に辛いことなんてアホみたいにあるんだから。
そんな事を、思い出してた。
現代を生きる私たちと、自然の中で真っ直ぐに生きる彼ら。
人として生きるにあたり、どちらが幸せなんだろうな。
共感なんて主人公側にしか出来なかったけど、
とんでもなく“女”を感じ取った絶叫号泣シーンには
何故か共感してしまった。
私の何かも、共鳴してたっぽい。
そんな自覚に鳥肌が立ってしまった。
どんな感想を持とうが人それぞれの勝手だけど。
明るいビジュアルとは逆に、メンタルやられる系のメルヘン映画でした。
夢なのか現実なのか。
夢が現実になってしまったのか。
ハッピーエンドなのかバッドエンドなのか。
トラウマになりかねないよ。
R指定がよく付かないな。
モザイクかかってたって、他のシーンも結構エグみハンパないぞ。
ひとまず観終えたあとに肉を食べる気が失せました。
でも、私もあぁやって大声をあげて泣きたい。
そんなことやったら、みんな引いてゆくでしょうけど。
1コメント
2020.03.07 22:49