映画『万引き家族』
映画『万引き家族』
監督・脚本:是枝裕和
出演:
リリー・フランキー/安藤サクラ/
松岡茉優/池松壮亮/ 城桧吏/ 佐々木みゆ/ 緒形直人/森口瑤子/
山田裕貴 /片山萌美/
柄本明/
高良健吾/ 池脇千鶴/
樹木希林/
毎熊克哉 /堀春菜
やっと観に行けたぁぁぁぁ。
パルムドール賞受賞作品。
どきどきした。
冒頭から、あぁやっぱり是枝監督って子供が好きなんだなぁと。
是枝監督は、ずっと家族のことを作品にしてきたけど
今年って特に家族もの多い気がする。
時代なのかな。
血の繋がっていない、寄せ集まった偽の家族。
拾ってしまった子供。
万引きしか教えることのできない、繋がり。
でも、万引きなんてのはひとつの手段なだけだった。
もっともっと、今現代の、”家族”について描かれていて。
手に取るように感じられて、考えた。
もともと、自分が子供の頃から片親の同級生は多かった。
そういう環境で育ったから、いなくても、
親が嫌いでも、
血がつながっていなくても、
本人たちが「家族」としてるなら、そうなんだと自然と思えて自分も育った。
映画で、確かに犯罪を犯してしまったことには間違いないんだけど。
報道されると、その家族は「偽りの家族」と言われてしまうんだよね。
決して、お母さんともお父さんとも呼ばれてなくたって。
子供には、なんていう存在になるのか、言葉や思い当たる言いようがなかっただけで。
それはきっとちゃんと、家族だったんだよ、て言ってあげたい。
春夏秋冬がやっぱり映されていた。
『誰も知らない』のように、本当に1年中、
季節を共に過ごしてきたチームなんだろう。
撮影でも共演者と分かっていつつ、ご本人たちの中では
それぞれの存在が「家族」、またはそれ以外でも、
絆や人を好きになっていった気がするし、伝わる。
アドリブのような自由なみんな。
長回しでもやり取りも、本当にどこかで存在しているような。
また、これは年齢的なものがあるけど。
子供の想いだけでなく、親になりたかった大人側の気持ちが
チクリと刺さってたまらなかった。
切り取り方が、なんて切ない。
そしてそのリアルさを増す、あの美術。
『銀の匙 SilberSpoon』でお世話になった、三ツ松けい子さん。
是枝組の常連の美術スタッフさんですが、作ろうと思っても
あの家の生活感は出せるものなのか…。
もう、凄かった。
湿気まで感じ取れる。
俳優陣の使い方は、なんて贅沢なのかと。笑)
やっぱりやっぱり、改めて、私は池脇千鶴さんが好きでたまらない。
いつもいつも、気にかかる人は池脇千鶴さん。
観る度に顔つきが変わっている。
歳の重なり方がなんとも素敵にみえるんだ。
観ながら、映画『かぞくへ』も思い出した。
今現代は、『オールウェイズ三丁目の夕日』の頃とは
だいぶ変わってきているんだ。
平成はもう終わるけど、この時代の中で
家族という身近で誰にも存在する集団のかたちの変化があったということ。
きっと新しい年代になったら、また変わっていくのかもしれない。
シングルマザーの同級生や親を亡くした子を思い出しながら。
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2018.08.28 21:19