映画『その手に触れるまで』
映画『その手に触れるまで』
監督:ジャン=ピエール・ダルデンヌ/リュック・ダルデンヌ
出演:イディル・ベン・アディ
オリビエ・ボノー
ミリエム・アケディウ
ビクトリア・ブルック
クレール・ボドソン
オスマン・ムーメン
『少年と自転車』からしばらく観てなかったなぁ。
13歳、厨二病、宗教どハマりの主人公。
余計な前後は描かれず、彼に寄り添って描くでもなく。
淡々と、彼の日々が写っていた。
ハマってしまったこと、対して、大人の言葉はまるで届かないこと。
でも肝心の大人は情けなくも逃げる発言を抜け抜けとしていたのがリアルで苦笑い。
少年院に入ったところで心の底は変わらないし。
大人になるまでこのままなのか…?
まだ子供の彼に、観てる側も希望をつい持ってしまうが、歯ブラシを削って凶器にするあたりは思わず固まる。。
そんな彼のキーパーソンとして、女性3人が最後に過ぎるのが印象的。
無性の愛の母。
恋心?な女の子。
敵意を抱く女教師。
何故女性をポイントに置いたのだろう。
恋心なのか“?“を抱いた彼女は、確かに手にしたい・思い通りにならない対象としてブチギレるのに同じ男の子では違ってきてしまうのはなんとなく分かる。
教師は、女性ならワンチャン勝てる(殺せる)と思うからだろうか。
13歳ほど子供ではなかったが、私も大学生の頃に無茶なカロリー制限をした時を思い出した。
一切、母の言葉に効力はなかったし、健康だけはまだ意識してたから朝はアホほど食べてたけど。
結局、婦人科に通うハメになってたからねぇ。
それでも尚、気づかなかった。
ネットでどんな情報も手に入ってしまう現代。
同じく宗教家だったりカリスマ殺人鬼や宗教家のサイト、または言葉を「いい」と思ってしまったら??
国が違う映画だったけど、どこにでも誰にでもハマる可能性が背中合わせなのだとゾっとした。
この先どうなるのか、
この行動を起こしたら自分がどうなるのかを想像出来ないままが、13歳。
自分の身に危険を感じてから、これも先のことではなく、とりあえずすぐ目先のことだけにすがれるようになる。
最後に手を取ったものの、反対側の手に握っていた凶器が、いつフレームインしてくるのかヒリヒリした。
13歳の少年が、変わった瞬間。
を、目撃するだけの1本は、なかなかにライトなふりしてハードだったぁ。
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2020.07.08 21:09