映画『工作 黒金星(ブラックヴィーナス)と呼ばれた男』
映画『工作 黒金星(ブラックヴィーナス)と呼ばれた男』
監督:ユン・ジョンビン
出演:ファン・ジョンミン/
イ・ソンミン/チョ・ジヌン/チュ・ジフン/キ・ジュボン
見逃してたけどずっと観たくて忘れられなくて
やっぱり見逃さないで良かった。
韓国映画を観た後は、なんでこんなにも胸やられてしまうのか。
いつも、重厚で濃密な映画体験。
北朝鮮側の核兵器の実態を知るため、工作員として潜入する韓国スパイもの。
90年代、実際に存在した“黒金星(ブラックヴィーナス)”の話が元のフィクション。
史実でもあり、政治、国の話であり、また男の友情ものでもある。
ひたすらに途切れない緊張感の連続。
潜入捜査の空気感たるや。
拳銃を突きつけるあの恐怖の時間は
何度出てきても毎度、ちゃんと体内が凍る。
命がけ。
普段の私生活があまり出てこなかったことも大きいのかも。
食事だって、会合の豪華なものと酒ばかり。
XO。
予告編で目を剥いた、金正日の姿にも、思わず口まで開いてしまった。
当然ながらニュースの姿しか見ていないけれど、彼の存在はあまりに大きく記憶に新しい。
子供ながらに強烈に残っているから。
まさか役にして演じさせるなんて…。
体型、歩き方、猫背具合、酒の飲み方。
どこで金正日を得たのだろうか。
『22年目の告白』を思い出したり。
演じたキ・ジュボンが心配になる←
彼を見つけた側にも拍手。
長くえらく緊張した137分。
その、最後のシーンが、カットが、あんなにも漢らしくも甘美なものになるとはぁぁ……。
おもちゃのごとく、形だけの証で贈ったロレックスの時計と。
本物の親愛の意味が込められて贈ったネクタイピン。
最後、その2つと2人の顔が再会した瞬間ときたら。
涙腺崩壊。
最後、この画のために積み上げられた120強でもある。
と思い返しからまたこみ上げるものが、、。
『おっさんずラブ』でキャーキャー言ってる場合じゃないよ。(楽しかったけど)
またイ・ソンミンが色っぽいのなんのって…。
特別イケメンなわけじゃない。
髪型もあって、ちょっと水谷豊さんに似てる気もする。
品があって凛々しくも恐く。
終始 強張った顔だったから、笑みがこぼれた時の、あんなにも目尻が下がる表情にグッときてしまうんだ。。
大好きになった。。いやたまらん好き。
普通の彼の写真のはみかみ笑顔見つめて独り言で「かぁわいいぃ…」とこぼしてた。←←
また衣装も、とんでもなく繊細に特徴を活かしていて。
びっくりするくらい“オールバックのおっさん眼鏡祭り”なんだけど。混乱)
レンズの色の個性、そこから見える各俳優の眼で選んだかのよう。
色合い、緩み、真逆の乱れぬシルエットからとれるスマートさ。
90年代の韓国、北朝鮮の流行や軍事的服装の特徴も知識にはないけれど。
分かればわかるほどに痺れる。
絶妙すぎるけど、衣装さんはどこかで賞を取らないかしら。
上質さある武骨さと心意気、覚悟。
どれも、どこもハンパなものは無くて。
製作の上で妥協した点などあったのだろうか。
こんなもの作れる韓国、いやぁ本当すごいや。
毎回言ってる気がするけど。
こればかりはもう1回観たい。
お金を払ってみる価値なんて当たり前のことを、特に痛感して満たされた。
もう終わってしう時期だから原稿も書けないけど。
それでも観たい。どうにか。
1コメント
2019.09.13 21:16