映画『ブラック・クランズマン』
映画『ブラック・クランズマン』(Black k klansman)(2018)
監督:スパイク・リー
出演:ジョン・デビット・ワシントン/アダム・ドライバー/
ローラ・ハリアー/
トファー・グレイシス/ヤスペル・ペーコネン/コーリー・ホーキンズ/ライアン・エッゴールド/マイケル・ブシェーミ/ポール・ウォルター・ハウザー/アシュリー・アトキンソン
こちらもアカデミー賞で話題となった作品。
今年の脚色賞受賞!
僕モテのお題ムービーにもなって、コメディタッチの予告編にウキウキ楽しみに行って参りました。
と
こ
ろ
が
確かに、冒頭からふふふと、ふははと、笑いどころも多く楽しんでいた、ものの。
久々に、映画館を途中で出たくなったり。
目を伏せがちになった、な。
黒人差別の問題を扱った、といえばアカデミー賞作品賞を受賞した『グリーンブック』と同じ括り。
そしてどちらも実話。
こちらはノンフィクション小説が原作にあるみたい。
初の黒人警官として採用されたロン・ルーストワークが白人至上主義の『クー・クラックス・クラン(KKK)』に潜入捜査に入った、という大筋。
いや結果的に潜入捜査に入ったのは、もう1人のロンとしてバディーを組んだ白人警官フリップが行ったんだけどね。
事実を基に、バディもののドタバタコメディ、に、一見みえた。
でもね、
最終的にはね、
スパイク・リー監督が激おこなのが、すっごく分かった、てこと。笑)
いや笑えないわ。
確かに黒人迫害の事実があり、現代にもまだある差別。
白人至上主義なんて団体があったのも事実。
でもこれをもって、
じゃぁ今はお互いに手を取っていこうじゃないか、
なんて明るいメッセージには受け取れなかった。
今もまだあるんだよ、
って政治と怒りが、今持っている憤りが、全面に出すぎてるように感じた。
被害者は黒人かもしれず、でも被害者ぶって、結局映画の中では白人を笑っていた。
最終的に笑われる対象になっていたのは、最後kkkのトップが1人ポツンとなったカットだし。劇場はもちろん大笑い)
黒人、白人が一斉に集ったお互いの集会の交互に現れる下りとか、もう本当、もういいよ、と。
のほほんと人種差別とはあまり密な関係の世の中に生まれ育った日本人である私、なのは確かにある。
でも、だから、
娯楽であり、芸術である映画を媒体に、個人的(ではないかもしれないけど)な怒りを込めて発信するのはどうなんだろう。
時にはこの映画というものを使い、歴史を残し、世界中に教えてくれる素敵な作品も、多数にある。
だとしても今回のは“こういうことがあるんだ”って事実、からの定義、だけに収まらなかったのが、エンタメとして昇華されたか??とクエスチョンがどうしても否めなくって。
映画の流れやハラハラ感、ストーリー展開はさすがのものよ。
主人公が身バレしそうな瞬間とkkkの計画が同時に起きていたこととか。
黒人白人だけでなく、ユダヤ人のことや(ネットニュースにもなったホロコーストは無かった、なんて話もあって現代を捉えてるぅぅ)複雑な関係も絡んでるいったり、脚本すげぇ。
せっかく楽しめるギリギリのとこまで行ってたのに。
最後の最後の、現実の映像で、もう心砕けてしまった。苦笑)
やっぱり映画を観て、楽しい時間を過ごしたかった。
重い・軽快に関わらず、ね。
現在の政治に対しての批判が、濃すぎる、のよ。。
後味 悶々と。うーーーん、と。
白人至上主義を表に、裏では結局黒人バンザイなの?に見えてしまった。。
そうじゃないんじゃないの、え、そうなの?
日本だって、過去には戦争でだいぶひどいことを各国にしてきた。
そしてされてきた。
アメリカに原爆を落とされた事だって、日本人として知っている。
芸能の方で人気も交流も深まっている韓国では、今だに反日の想いを抱えている方もいる、のを知っている。
被害者であり、一方では加害者。
忘れてはならない歴史だってことは、現代の若い子もわかってると思うんだけど、だからといって、今出会うアメリカ人や韓国人を嫌うわけでもない。
語弊を恐れずに言えば、今は今。
「だから今も続いてるんだよコンニャロウ!」
と言われればそう、なんですけど、うぅん。
人種差別も性差別も今だにある。
昔ほど無くなったにしても。
それなのに「今は平等で平和でーす」と人類皆が平和ボケかましてるのはふざけすぎで、そりゃ怒るでしょうけど。
それとこの完成された作品への想いは、もっと別に、またはもっと上手に、映画の中に込めて欲しかったな。
映画観終わってこんなにも政治的なことをバリバリ感じるのもヤーだなーーぁっ。笑)
多国籍な街で育った私の感覚がおかしいのかなぁ、と寂しくもなる。
人種がしっちゃかめっちゃかで皆んなで酔いつぶれてる、そんな街。笑)
地元、好きなんだけどな。
この街のおかげで、WitheもBlackもピーポーみな好きなんだけどなぁ。
どんな人種でもナニ人でも、良い人もいれば悪い人もいる。
日本だって殺人事件起きてるんだし。
はぁーほらもー、私まで鼻息荒くなってしまううう。悶)
未来から見た今の過去の内に、こいうった差別や非難のことを描き切って、いつか、オリジナルの楽しい作品で溢れる将来になるといいな。
切に。
笑いも多かったし、楽しめる人は間違いなくいると思うから(面白かったー!の声も満席の劇場で聞いたし)、そういう話を聞いてちょっと緩和したいやっ。
1コメント
2019.04.05 22:00